4: ◆jma3vRngk.Px[sage]
2014/11/20(木) 03:30:11.43 ID:SGK+dpDH0
昼下がり。俺は少し小さな、恐らく個人が作ったんだろう、レンガを組み上げて作られた二階建ての建物の前に立っていた。
昔から全く変わっていない、ただ灰色のレンガを組み合わせただけのちゃちな建物だ。いくつか窓穴が開いているが、相変わらず、そのどこにも侵入者を拒むためのものは設置されていない。
俺が小学生の頃、ここは俺と友達の秘密基地だった。当時、俺たちはここを要塞と呼んでいた。
建ち並ぶ古い木造の一軒家と田んぼ、新幹線の通る高架橋くらいのものしかなかったここに住んでいた俺たちは、その無骨な佇まいが醸し出すある種の異質さ、格好よさを感じ取り、魅かれていたんだ。
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