過去ログ - 摩耶「あたしが手にする『自由』」提督「俺が与える『自由』」
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20: ◆vkHTV4M25U[sage saga]
2014/11/22(土) 20:52:04.00 ID:w2KE2qjl0

摩耶「もしかしたら夜に艦載機を飛ばしてくる敵がいるかもしれないぜ?」

提督「そんな馬鹿なことあるわけない。夜間の発着は不可能だ。あり得ない」

摩耶「そんな馬鹿なことがあり得るんだよ、戦場では」ギロッ

提督「……」

摩耶「常識では決して考えられない事態が起こることなんていくらでもな。そういうことがあるから戦場は『天使と悪魔が同居する場所』なんて言われるんだぜ? この程度、想定するくらい当たり前だし、仮に外れたとしても自分の得意分野を最大限に伸ばす努力は決して無駄になりはしない」

摩耶「なあ、提督。戦場では既存の先入観なんて捨てた方が身のためだぜ? でなけりゃ、お前死ぬぞ?」

提督「……」

提督(何も言えない。摩耶の何処か濁った瞳に見詰められると二の句が告げなくなる)

提督(配属当初、こいつはこんな眼をしていた。まるでこの世の汚いもの全て見てきたような眼だ。今ではあまり見なくなったが、時折こうしてこの眼をすることがある……)

提督(一体何を見てきたら、こんな眼をすることが出来るというんだ……)ごくっ

提督「なあ、摩耶」

摩耶「あん?」

提督「いや、何でもない……」

摩耶「……そうかい」

提督(私は……いや、俺は訊けないでいた。摩耶が戦う理由を)

提督(彼女自身が少しだけ話したことはある。深海棲艦が憎い、そう言っていた。確かにやつらを憎んでいる艦娘は多い。親を殺されたものもいれば家を失ったものもいる。憎悪が戦う理由になることは、報復戦なんて言葉があるくらい自然なことだ。だが、摩耶の場合……単純にそれだけなのだろうか)

提督(摩耶が過去に勤めていた鎮守府からの報告書や吹雪から聞いた事実と照らし合わせても、あいつの戦闘にかける気概は行き過ぎた感がある。過去に命令無視の進軍の記録が複数と、驚くべきは単騎出撃という無謀を幾度か経験していること)

提督(そう、まるであいつは自分の命に感心がないみたいだ。死んでもいい、と思っているのかもしれない。やつらに対する憎悪が自分の命の重さに勝っているのか、それとも他の何かがあるのかはわからない。他の艦娘に見られる蛮勇とも違う……。もっとドライなものだ)

摩耶「どうした、提督。考え込んで」

提督「すまん、ちょっと考え事をな……」

摩耶「早く戻ろうぜ。と、その前に的を片付けないとな。鳥は……」

提督「私が預かろう。獲っても問題ない鳥のようだし、比叡なら捌けるだろう。せめて食べなければ命に失礼だ」

摩耶「かもな。なら頼むぜ」

提督「……ああ」

摩耶「……」

提督(摩耶、お前は一体……)



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