過去ログ - 摩耶「あたしが手にする『自由』」提督「俺が与える『自由』」
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◆vkHTV4M25U
[sage saga]
2015/02/14(土) 14:27:34.55 ID:Ln9jyuNy0
摩耶という疾風が、戦場を駆けていた。
赤い海を切り、血肉を蹴飛ばし、絶え間なく襲いかかる砲雷撃を避け、彼女はただ敵のみを見据える。
怪物たちの険しい表情。その顔ぶれは残り3つにまで減っていた。摩耶と蒼龍の活躍により、数倍以上あった戦力差は徐々に縮まって、今では駆逐艦と重巡洋艦、そして戦艦ル級eliteが残るだけである。
摩耶の次なる標的は、赤い輝きを纏った戦艦であった。彼女は乱れた息を獣の唸りに変え、戦艦を殺さんと砲撃を撃ち続けた。時には掠め、しかし着実に命中を繰り返す摩耶の砲弾が、戦艦ル級の装甲を食い破っていく。
焦ったように叫ぶ戦艦ル級。その叫びに呼応するかのごとく、残る駆逐艦と重巡が摩耶へと砲撃を浴びせかけた。弾薬の節約など一切考慮しない、理性の欠如した連続射撃である。何としても、摩耶を止めようとする焦燥に満ちていた。
摩耶はジグザグに動き、或いは円を書いて、砲撃をやり過ごす。が、全てはかわしきれない。摩耶は致命傷となりかねない重巡と戦艦ル級の攻撃だけよけることを意識して、駆逐艦の砲撃は、直撃を避けつつもほぼ無視して喰らっていた。くらうとまずい攻撃だけ余裕をもってよけ、くらっても構わない攻撃は度外視しているのだ。
一見合理的だが、並大抵の胆力なくして不可能な回避方法である。化け物じみた度胸と計算をもって、摩耶はそれをなし得ていた。
駆逐艦の砲弾が、頬を掠める。甲高い音に紛れて火花が散り、ボロボロと装甲が剥がれ落ちた。鈍い衝撃が皮膚を突き抜けて歯まで響く。
摩耶は、身体をなぞるこうした痛みの一切を気にも留めていなかった。ただ、ただ怒りしかない。それが、彼女を全て塗りつぶし駆り立てていた。
摩耶「——ガアアッ」
摩耶は、砲撃線を掻い潜り、戦艦ル級へと詰め寄った。己と敵の血で染まった赤い獣に、赤い怪物は恐れ戦いていた。顔を引きつらせ、逃げようとした戦艦ル級の肩を掴み、引き寄せる。あろうことか、そのまま戦艦ル級の首に手を回す。
ゴキリ、と嫌な音が鳴った。
摩耶は戦艦ル級の首の骨を折ってしまった。
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