過去ログ - 摩耶「あたしが手にする『自由』」提督「俺が与える『自由』」
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312: ◆vkHTV4M25U[sage saga]
2015/02/20(金) 01:40:18.49 ID:/jFv2HVR0

 蒼龍はもう一本矢を放った。艦戦を十数機。半減したチェシャ猫の艦載機群へと突撃させる。チェシャ猫側の艦戦も突出し、蒼龍の艦載機を迎撃した。

 激突し、機銃のけたたましい音が空に響いた。

 煙を吹きながら両陣営の数多の艦載機が爆発、あるいは海へと墜落する。その数はチェシャ猫側の方が多い。蒼龍の圧倒的優勢だった。

 痺れるような歓喜の疼きが走った。航空戦優勢を取ったときの高揚は、空母なら誰しもが感じるものだ。ただし、蒼龍はその感覚を噛みしめるより先に、チェシャ猫を仕留めにかかった。

 チェシャ猫は再び上空に尾を向けた。艦載機を出そうとしているか、もしくは対空戦に持ち込こもうとしているのだろう。

 それを許すような、摩耶ではなかった。

 摩耶の砲撃がチェシャ猫を襲った。チェシャ猫はその砲撃を全てかわしたが、しかしそれにより妨害を受け、対空戦を行えない。

 蒼龍の艦載機が、チェシャ猫の間近に迫った。魚雷と爆弾を放ち、機銃を掃射する。チェシャ猫一隻のために、艦隊を相手取るような総攻撃だ。爆発的な音が待機を吹き飛ばし、巨大な水柱が空へと立ち上る。飛沫が遠く離れていた蒼龍にもかかる程だった。

 確実に仕留めた。逃げ切れる攻撃量ではない。

蒼龍(いや——)

 抱きかけていた確信を、蒼龍はすぐに否定した。鈴谷が相手をしていた敵戦艦のことが頭を過る。あれは、インチキじみた障壁でこちらの攻撃を散々無力化していた。チェシャ猫も同じものが使えるのだとしたら、あれでも倒せたかどうか分からない。

 決めつけるのは早計。蒼龍はそう判断し、弓を構えた。矢尻の先端が、水柱へと向いて鋭い光を放つ。


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