過去ログ - 勇者の娘「お父様の仇を討ちます」
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2: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/11/20(木) 21:24:56.21 ID:cSJEM5KH0
つい先ほどのことだった。私の家が魔物達からの襲撃に遭ったのは。
20年前に魔王が破られ、それなりに平和になった現代において、その襲撃は晴天の霹靂だった。
稼業である魔物退治を済ませ家に戻る道中、家から火の手が上がっていたのを遠目から発見したことを覚えている。
令嬢「まさか魔物の襲来…!?お父様っ!」
従者「お待ち下さいお嬢様!」
私は従者の言葉を耳に入れず、一目散に家に駆けていった。今思えば、これが浅はかだった。
既に戦闘の跡でボロボロになった屋内では、警備兵達が倒れていた。
お父様は――とその時、大広間の方から戦闘音が聞こえてきた。
お父様に違いない、そう思って迷わず大広間へ駆けた。20年前魔王を倒した英雄であるあの豪快な父ならば、どんな敵にでも負けないだろう。そう、思っていた。
だが。
令嬢「…っ!」
大広間の扉を開けた瞬間私が目にしたのは、信じられない光景だった。
父「が…っ」
?「…ふっ」
私が見たのは、魔族の爪に胸を貫かれた父だった。
令嬢「あ、あ…」
?「…勇者の娘か?」
そう言ったと同時、魔族は父を床に投げ捨てた。
魔族と、魔族を囲んでいた4名の魔物は一斉にこちらを向く。
とても勝てる相手じゃない――本能的にそう思った。だが同時に思った。きっと逃げ切ることもできない。
ならばどうするか。勇者らしくあれ、そう教育を受けてきた私に迷いはなかった。
令嬢「許さなっ――」
駆け出したと同時、上から衝撃があり、私は地面に組み伏せられる。
何事かと振り返ると、黒い鎧を纏った何者かが私を組み敷いていた。
?「余計な手出しを、暗黒騎士」
暗黒騎士「このような小娘、貴方の手を煩わせる必要もない」
令嬢「…貴方達、何者?」
勇者たるもの、常に堂々とあれ。そう教わってきた私は今の状況にも関わらず、なるべく冷静を装って言った。
そんな様子が滑稽なのか、魔族は私の問いに鼻で笑って答えた。
?「まぁいい、答えてやろう――
我は魔王。20年前討ち滅ぼされた魔王に代わり、魔物を統べる者だ」
しばらく理解ができなかった。
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