過去ログ - 勇者の娘「お父様の仇を討ちます」
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42: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/11/24(月) 19:00:01.30 ID:h/zKXpHe0
令嬢「相変わらずキザねぇ…」

魔王城のベランダから戦いを眺める。王子はこちらに気付かない。けれど城内の魔物達の警戒心が強まっており、これ以上近づくことはできなさそうだ。

従者「幹部の1人でも倒して下されば有難いですが、複数相手では難しそうですね」

令嬢「あれだけ戦えるだけでも十分よ」

見目麗しい王子の剣さばきは優雅にも見え、国の女性たちが心を鷲掴みにされている理由も納得できる。

従者「流石お嬢様の旦那様となるお方です」

令嬢「そうね」

上の空で私は答える。
目を向けるのは王子の戦い。戦況は決して楽ではない。しかし彼の顔は歪まない。王子はいつでも力強くて美しい。だからこそ、私には遠い世界の住人に見える。

悪魔「勇者の伴侶となる、王子か…」

令嬢「!」

背後の声が私を現実に引き戻す。いつの間にか幹部の1人が私達の側に来ていた。

悪魔「勇者がいなくなった今、奴が1番の要注意人物…しかし、奴の弱点はわかっている」

悪魔は私を見てニヤリと笑った。
彼の考えていることが私にはすぐわかった。同じような立場になったら、恐らく私も同じことを考える。
そして次の瞬間、彼はそれを実行に移した。私の体は乱暴に引き寄せられる。

従者「お嬢様ぁーっ!」

従者の叫び声は既に遠く。悪魔は私を抱え、その翼で戦いが繰り広げられる地面へ降り立った。

王子「おや…」

王子の剣がピタリと止まった。相変わらず表情は余裕を崩していないが、その目はしっかり私の方を見ていた。

悪魔「それ以上暴れるようなら、こいつがどうなるかわからんぞ?」

令嬢「すみません、こういう事になってしまいました」

王子「おやおや困りましたね」

久しぶりに会話する婚約者は緊張感なく答えた。まぁ、緊張感がないは私もだけれど。


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