過去ログ - 勇者の娘「お父様の仇を討ちます」
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5: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/11/20(木) 21:26:44.20 ID:cSJEM5KH0
令嬢「…」

あれから無言のまま暗黒騎士の部屋に案内された。最奥の小ぢんまりとした一室に通され、逃げることは不可能そうだ。
さて、どうするか。先ほど暗黒騎士が兜を脱いだが、人間と言われても違和感ない、少なくとも他の幹部に比べるとずっと生理的に受け付けられる(むしろ人によっては美形にも見えそうな)顔立ちをしていた。だからといってこのまま彼の側室になるのは嫌だし、かといって簡単に自害するのも躊躇われた。

とすると、もうこれしかない――

暗黒騎士「おい――」

暗黒騎士が部屋のドアを開けた。と同時。

暗黒騎士「…何のつもりだ?」

令嬢「動かないで」

ドアのすぐ側で構えていた私はすぐに暗黒騎士の背後に回り、その首に小刀を突きつけた。

令嬢「剣を捨てて。早く」

暗黒騎士「…」

暗黒騎士は言われるまま、剣を床に落とした。
よし――しかし、油断したのが良くなかった。

暗黒騎士「…」ビュン

令嬢「あっ!?」

唐突な手刀が私の手首を打つ。そして私は、小刀を落としてしまった。

令嬢「…」

暗黒騎士「何か言うことは?」

令嬢「許して頂けないかしら?」

ふてぶてしく言ってみせると、暗黒騎士はふっと静かに笑った。


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