過去ログ - 二宮飛鳥「例えば包帯巻いてみたりとかさ」モバP「痛い痛い」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/22(土) 23:37:58.87 ID:6Jm9dO+W0

 「お前よく珍しい味のお菓子持ち込むよな。そういうのよくコンビニに売っているけれど、俺はどうにも買う気にならないんだよな、やっぱのり塩大安定だって」

 そんなことを言う癖にPの腕はまったく止まらず、どころかハイペースでポテトチップスを口へ運び続けているものだからとうとう銀色の底が見え隠れしだしている。

 ボクの月のお小遣いは決して高くないんだ、やめて欲しい。とはいえ露骨に慌てるのもなんだか格好がつかないから、さりげなくポテトチップスの袋を引き寄せながら口を開く。

「好奇な物は得てして人の目を引く、ましてそれが多感な中学生という時期ならより顕著にだよ。ボクは所詮は大衆と変わらないってことかな、悲しいけれどね」


「ニヒルに笑って黄昏ているところ悪いけれど飛鳥、『好奇な物』なんて言葉はないぞ。好奇の目から連想したのかもだけれどな、間違った言葉はすまし顔で使っても流石にすまされないと思うんだ、いろいろと」


「……っ そ、そのダジャレのほうがすまされないとボクは――」


「あらら、顔真っ赤にして俯いて、やっぱうちのアイドルは可愛らしいわ」


「ちが、あれだよ、ほらこれは……っ! あ! というかさりげなくポテトチップスにトドメを刺そうとしないでくれないかな!? まだボク殆ど食べてないんだけれど!?」


 見れば既に残っているのは数枚になっている、目を離した隙になんてことをしてくれたのだろうか。 


「そっちこそさりげなく話題そらすなよ。さっきからいちいち格好つけた動作でポテチ食べてるから悪いんだ。子供はもっとはしゃぐもんだぞ、ポテチを前にしたら」


「大のオトナがポテトチップス一つでこうも大人げなくなってしまうことにボクは驚きを隠せないけれどね! もう、一口三枚づつなんてずっこいじゃないか、きっちり一枚づつ食べなよ」

 抗議の眼差しを向けながら最後の一枚になってしまったそれをぽりりと噛む。かくしてボクの152円(税込)はそのほとんどを目の前の男に平らげられてしまったのだった。

「これがオトナだ」

「やっぱりオトナなんてロクなもんじゃないね」

 そう吐き捨てるように言うと、ごそごそとポケットをあさるP、ポンと投げられたその小袋には見覚えがあった。

 柿の種、ピーナッツとせんべいの絶妙なハーモニーが特徴のお馴染みアレである。

「そしてこれもオトナだ」

「オトナ万歳だね」

 何を隠そう、嫌いじゃなかったりする。




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