29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/15(月) 22:17:59.42 ID:wEUtVhMK0
「ええ、ですが……なるほど、経歴は……はい」
「……どうだった?」
「やはり、お嬢様の考えていた事で当たりのようですね。彼は「花鳥亭」出身だそうで」
「ですが、高校を卒業してから、約7年間経歴が不明です。どこかで修業でもしていたのでしょうかね」
「そう……ありがとう」
「やけに店の場所を聞いてきました。一応隠しておきましたが……」
「ええ、それが良いわ」
「……私達、まずい事をしてしまいましたかね?」
「……」
【今日のおすすめ 】
女(今日は雨が降ってないけど、空が真っ暗な雲で覆われてる……何だか不安になるな)
青年「旦那、今日のおすすめは何っすか」カランカラーン
男「おう、今日はとんじ……る……」
「……」
青年(綺麗な人だけど……なんか、すげえ厳しそうな……もしかして、この人が)
「男」
男「……姉貴」
姉「久しぶりですね、少し背が伸びましたか?」
女「!?」
男「そんな事言いに来た訳でもないだろう、何しに来たんだ?」
姉「男、「花鳥亭」に戻りなさい」
男「嫌だね」
姉「何故?」
男「最高の素材を使って、最高の腕で作る料理……それは、料理人としては本望だろう」
男「でも、普通の人が食べれない――ほんの一部の金持ちだけが食べれる料理」
男「その料理は間違った道じゃないだろうな。でも、俺はそんなの嫌なんだ」
男「この小さな店で、出来るだけ材料を安く仕入れて、貧富関係なく、たくさんの人に食べてもらいたいんだ」
男「それこそが、俺の作る料理なんだ」
青年「旦那……」
姉「……言いたい事は分かりました。随分と成長したようですね」
女「!」
姉「しっかりした考えも持っているようですし、貴方の独立を認めましょう――ですが」
姉「家で教えられた料理を、ちゃんと作れているか、それを確認させてもらいます」
男「!」
姉「三日後、また来ます……その時に、「蛸と大根の炊き合わせ」を出してもらいます」
姉「納得できない仕上がりなら、問答無用で連れ帰るつもりです。では……」カランカラーン
男「……」
青年「……旦那、大丈夫っすか」
男「……心配すんな。大丈夫だよ」ニカッ
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