6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/25(火) 18:54:05.78 ID:4tSW8HMN0
【今日のおすすめ カレーライス】
男「洗い物終わったか?」
青年「やったっすよ」
男「もう閉店の時間だし、お前は戻ってていいぞ。女はまだ頑張ってくれ」
女「はいっ!」
青年「お疲れ様っす、まかない楽しみにしてるっすよ」
男「腹減ったなぁ……」
カラン……
女「いらっしゃいませ!」
サラリーマン「……一人です」
女「かしこまりました、お席にご案内しますね。あ、暖かいタオルです、寒かったでしょ?」
サラリーマン「どうも……」
男(さすが女だな。沈んでいる客に対しては落ち着いた雰囲気で接し、細かい気配りが出来る)
サラリーマン「カレーライス一つ……」
女「はい。カレーライス一人前です」
男「了解」
男(俺のカレーライスは、レストランのような気取った感じではない)
男(ごろごろしたじゃがいも、大きく切った人参、玉ねぎ。いわゆる家庭的なカレーに近づけようとしている)
男「よろしく」スッ
女「お待たせいたしました、カレーライスです」
サラリーマン「……いただきます」
サラリーマン「……!!」
ポロ……ポロ……
男(おいおい、泣き出したぞ!)
サラリーマン「みっともない所を見せてすみません、ですが、この味……まるであいつのような……」
サラリーマン「実は、私リストラをくらいましてね……惨めなもんですよ。ずっと家族のために働いてきて」
サラリーマン「でも、家族からは良い父親と思われては居なかったんですね」
サラリーマン「告白した三日後、離婚する事になりましたよ……はは」
サラリーマン「何の為に今まで生きて来たんだろうなぁ……」
女「……貴方の心中、私に全てが分かる訳では無いですが」
女「貴方は今まで家族のために一所懸命働いてきた――それだけでも、立派な事だと思いますよ」
女「しばらく休んで、落ち着いたら……今度は自分のために生きてはいかがですか?」
サラリーマン「……うん、うん……!!」
サラリーマン「ありがとう、ございます……!!」
サラリーマン「うまい、うまい……!!」ガツガツ
男(……良かった)
サラリーマン「ごちそう様でした……何か、話を聞いてもらえてすっきりしました」
女「それは良かったです、またのご来店、お待ちしておりますね♪」
サラリーマン「ええ、ありがとう……」
カランカラーン
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