22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/24(月) 00:00:14.93 ID:nmlBgYLE0
御坂が目を覚ますと、そこはエレベーターの中だった。
「ッ、痛ぅ……」
気だるい体に鞭打ってゆっくりと立ち上がる。
心なしかガンガンと響くように痛む頭を右手で押さえ、視界はぼけたように揺らぐ。
段々意識が覚醒してくると視界も回復し、エレベーターの扉に刻まれた文字を発見する。
簡単な一文だった。
『Who are we?』
下へと降りていたボタンのないエレベーターが停止し、その扉がガーッ……と静かに開く。
目の前には何年も人の手が入っていないような、薄汚れた廊下が伸びていた。
辺りを見てみれば蜘蛛があちこちを徘徊している。
廊下に一切の部屋はなく、左側には一定の間隔で窓があった。
「……何にも見えないわね」
窓を覗き込んでみる。向こう側に広がるのは漆黒の闇だけだった。
更には窓と言っても開けることはできず、叩いてみても微動だにしなかった。
御坂はただ廊下を歩いていく。ふと、気付いた。
「――――あれ」
自分の隣にある窓を見てみる。向こうには闇が広がるばかりで何もない。
振り返ってみる。通り過ぎた後ろの窓を見ると、赤い手形がべたべたといくつも張り付いていた。
数歩進む。かつ、かつ。振り返る。数秒前まで自分がいたところの隣の窓に、赤い手形がいくつも確認できた。
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