5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/23(日) 00:06:34.55 ID:XacTLzx30
部屋に入れたのは最初の一つだけ。他はドアが開かなかった。
中にはドアが開き、中の様子は見えるのにそこに入った途端に気がついたら元の廊下に立っていたこともあった。
廊下の一番奥にはやはり古びたエレベーターがあった。
その近くにドアがある。あれが最後の部屋だろう。あそこはまだ調べていない。
近くまで歩いていくと、ボロボロで薄汚れた廊下に小さな綺麗なボールが転がっているのに気付いた。
そのボールは廊下から最後の部屋のドアへと転がっていき、ドアにぶつかって跳ね返る。
またドアに転がっていき、ぶつかり、跳ね返って、転がっていく。ひとりでに延々とその動きを繰り返していた。
美琴が更に近づいていくと、ボールがドアにぶつかった瞬間にドアが軋んだ音と共に開いた。ボールも部屋の中へと転がっていく。
「選択の余地なし、か」
開いたドアを覗き込む。ドアにはファンシーなデザインの汚れた札が掛けられていた。
中に転がり込んだボールを見てみる。ボールは動きを止めて静止していた。
もう一度札をよく見てみる。裏側には『My,dear……』と書かれていた。
次は部屋の中を確認してみる。入り口の正面には鏡が掛けられていた。
鏡を見る。何度見ても映るものは同じだ。御坂美琴だ。
そこにいる自分を見て、ふと美琴は何かに気付いて再びボールに目をやった。
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