過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
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23: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:54:54.09 ID:084IZWFd0

 五十鈴は長良と目を合わせた。その真剣な眼差しに、"彼女がなにを考えているのか"長良は直感した。

「…ダメ、危険よ!もし船ごと海中に沈んだら、いくら私達でもただじゃ済まないわ!」

 だが五十鈴の気持ちも、彼女には理解できた。
 五十鈴は元来、人一倍に使命感が強いのだ。それに艦娘であれば、命を救いたいと思うのは当然だった。長良も本心では助けたいと思っている。
 だが沈もうとしている漁船に突入するのはあまりに危険であり、そんな無謀な場所に、大切な妹を向かわせたくはなかった。

「わ、分かってるわよ。でも…」

 悲鳴は止まない。何度も何度も、朝鮮語で叫ばれてる。
 五十鈴は奥歯を噛んだ。その声が耳奥で反響している。
 工作員だけではない、あの中には民間人もいたのだ――それもきっと、1人や2人ではない。
 彼らが助けを求めているのだと思うと、五十鈴は居ても立ってもいられなかった。
 そして彼女は決心すると、握られた掌を解いた。

「五十鈴は行くわ。…きっと助けを求めてる。なのに見殺しになんか出来ない」
「無茶よ!脱出できなかったらどうするの?!それにあなたが沈むなんて――」
「―――なら手伝って!」

 長良の両肩を掴むと、五十鈴は叫んだ。その気迫に思わず長良は身を竦ませる。決死の表情を前に何も言い返せなかった。


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