過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
1- 20
25: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:56:23.56 ID:084IZWFd0

「姉さん!側面の孔から船内に突入するわ!そのまま傾斜を押え続けて!」
「了解!必ず戻るのよ!」
「合点よ!」

 2人は拳を突き合わせる。そして海水の流れ込む破孔から、五十鈴は船内へと滑りこんだ。
 狭い通路だった。黒煙と熱気が充満している。彼女は艤装を停止させると、腰まで海水に浸かった。

「助けに来たわよ!返事をしてー!」

 五十鈴は叫ぶ。
 悲鳴はもう聞こえない。ドアというドアを蹴破り、室内を確認しながら進んだ。
 不意に激しく船体が揺れた。また爆発を起こしているのだ。

「どこにいるのよ…」

 声が聞こえたのだ。どこかに閉じ込められている訳でもないだろう。
 すると数人の男女が倒れているのを見付けた。五十鈴は海水を掻き分けながら近付いていく。

「大丈夫?!しっかりして…!」

 五十鈴は女性を抱え上げる。そして小さく悲鳴を漏らした。
 "だらり"と揺れる頭。その額は撃ち抜かれ、赤い脳漿を溢れさせている。
 よく見れば他の人々も撃たれており、流れ出した鮮血が水面を赤く染めていた。
 …工作員が道連れにしたのだ。

「ひどい…!」

 五十鈴は下唇を噛んで、怒りに顔を歪めた。
 だがここで諦めたくはなかった。まだ誰か生きているかもしれない。そう自分に言い聞かせると、水面の上に女性を横たえた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
63Res/41.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice