過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
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27: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:57:45.73 ID:084IZWFd0

 不意に辺りが輝いた。強い衝撃が身体を打って男が離れる。その腕から解放されると、五十鈴は水中から跳ね起きた。

「はっ、ぁ…げほっ、げほっ…!」

 壁に腕をついて激しく咳をする。
 肺に煙が流れ込んできた。辺りは激しく燃えている。
 五十鈴は慌てて男を探した。彼はうつ伏せに倒れている。
 上着は焼け焦げ、その後頭部は砕けてなくなっていた。爆発の衝撃にやられたのだ。
 彼女は身体を震わせた。
 …殺されるところだった。覚悟してはいても、その事実に恐怖を覚えずにはいられなかった。
 男は艦娘の"水中では活動できない"という弱点を知っていて、その上で襲いかかって来たのだった。
 艤装を切ったのもまずかった。その力がなければ"常人よりも遥かに頑丈"である以外、艦娘は"普通の女の娘"となんら変わるところはないのだから――

 ハッチの奥から叫び声が聞こえた。
 五十鈴はその声で我に返る。
 そうだ…私は救わねばならない。恐れている訳にはいかないのだ。
 そう自分に言い聞かせると、震える拳を握りしめた。

「いま行くわ!」

 五十鈴はハッチに近付いた。そのレバーは熱を帯びている。
 掴むと掌が焼けて音をたてた。その痛みに彼女は顔を歪める。

「ぐぅ…っ、こ、のぉ!!」

 だがぐっと堪えた。そして渾身の力でレバーを回すと体当たりをする。
 ハッチが開いて転がり込むと、辺りで悲鳴が起こった。



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