過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
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◆T7uO1oLoAM
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2014/11/23(日) 21:57:45.73 ID:084IZWFd0
不意に辺りが輝いた。強い衝撃が身体を打って男が離れる。その腕から解放されると、五十鈴は水中から跳ね起きた。
「はっ、ぁ…げほっ、げほっ…!」
壁に腕をついて激しく咳をする。
肺に煙が流れ込んできた。辺りは激しく燃えている。
五十鈴は慌てて男を探した。彼はうつ伏せに倒れている。
上着は焼け焦げ、その後頭部は砕けてなくなっていた。爆発の衝撃にやられたのだ。
彼女は身体を震わせた。
…殺されるところだった。覚悟してはいても、その事実に恐怖を覚えずにはいられなかった。
男は艦娘の"水中では活動できない"という弱点を知っていて、その上で襲いかかって来たのだった。
艤装を切ったのもまずかった。その力がなければ"常人よりも遥かに頑丈"である以外、艦娘は"普通の女の娘"となんら変わるところはないのだから――
ハッチの奥から叫び声が聞こえた。
五十鈴はその声で我に返る。
そうだ…私は救わねばならない。恐れている訳にはいかないのだ。
そう自分に言い聞かせると、震える拳を握りしめた。
「いま行くわ!」
五十鈴はハッチに近付いた。そのレバーは熱を帯びている。
掴むと掌が焼けて音をたてた。その痛みに彼女は顔を歪める。
「ぐぅ…っ、こ、のぉ!!」
だがぐっと堪えた。そして渾身の力でレバーを回すと体当たりをする。
ハッチが開いて転がり込むと、辺りで悲鳴が起こった。
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