過去ログ - 【艦娘による不審船への対応案件】長良「停船セヨ」五十鈴「立チ入リ検査ヲ実施スル」
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30: ◆T7uO1oLoAM[age]
2014/11/23(日) 21:59:47.81 ID:084IZWFd0

「いいわ!準備できた!」
「了解!起爆します!」

 爆風と衝撃波が背中を叩いた。視界が揺らいで息がつまる。五十鈴はぐっと堪えた。
 振り返ると、船首に巨大な孔が開いていた。そこからサーチライトが差し込んでいる。

「みんな走って!飛び降りて!」

 脱出できると悟ったのだろう、少女達は船首から飛び降りていく。
 それを確認すると五十鈴も走った。
 巨大な爆発が起こり、海面に叩きつけられる。意識が遠のいた。ほの暗い海へと沈んでいく―――

「五十鈴!」

 長良がその手を掴んで引きずり出した。

「馬鹿!もうダメかと思ったのよ…!」

 彼女は声を震わせながら五十鈴を抱き締めた。
 五十鈴は"ごめんなさい…"と呟いて、その身体を預ける。艤装は壊れて満身創痍。身体は節々が痛んでいた。
 上空をヘリが飛んでいる。隊員達がワイヤーに吊るされながら手を振っていた。
 2人は辺りを眺めた。
 炎上しながら沈んでいく漁船。その周りでゴムボートや巡視船に少女が救助されている。彼女達は抱き合いながら泣いていた。
 五十鈴は安堵に溜息を漏らした。

「五十鈴たち、やり切ったのね」
「えぇ。…勝ったのよ、私たちは」

 水平線からは朝日が昇り始めていた。その輝きが辺りを照らしている。
 五十鈴は目を閉じた。少女たちを救った――その"やりきった"感覚に胸はいっぱいだった。
 だが同時に疑問が生まれた。何故、工作船に…あんな大勢の少女が乗っていたのだろうか、と―――



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