過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:03:46.66 ID:tgtZELLQO
これは夢だ。
しかもとびっきりの悪夢。
こんな夢を見るなんて俺は相当酷い精神状態なのにちがいない。
それもこれもハルヒの奴が振りまく積もり積もった気苦労の所為だ。早く目を覚ませと念じる一方で、ずきずきと響く後頭部の痛みがこれが紛れも無い現実であることを俺に突きつけてくる。
窓からは放課後の夕日がいっぱいに差し込んで、全てを茜色に染めている。
午後6時。俺は普段SOS団員が我が物顔で闊歩している文芸部室で、たった今わけもわからず古泉に押し倒されている状態だ。
大の字になって床に寝そべった俺の身体に馬乗りになった古泉は、それでも清爽とした微笑のまま見下ろしてくる。これはマウントポジションってやつじゃないのか。まさか今から俺を砂にする気か?
いっそのこと殴られる方が後々の対処法としてはむしろ楽なような気もするが、それではさっきのキスシーンの説明がつかないので、古泉の目的が拳を交えることでないことはここまで来たらいくら俺でも察しがつく。そうであってほしいとは願うが。
「目が泳いでますよ」
「……そりゃ泳ぎもするだろうよ」
半眼になって呟く。
古泉が低く喉の奥で笑いながら、掌を伸ばして俺の頬に触れた。
「そんなに怯えなくてもいいじゃないですか」
その感触に柄にもなくびくついてしまって、それを見た古泉がまた笑う。
頬からラインをたどるように指がゆっくりと下りていき、唇まで行き着くと左右に弄ぶように柔らかく撫でる。思わず瞼がふるえた。
そういうことは可愛い女子生徒にするべきなんだ。例えて挙げれば朝比奈さんなどは愛でてしかるべき異性の最たる見本だろう。見てくれだけは十分すぎるほどに整っている古泉のことだ。言い寄ってくる女子も少なからずいるようだしより取り見取りじゃないか。その気になればどんな女でも息を吹きかけるだけで虜に出来るだろうに。なのに何が悲しくてオトコの唇なんか撫でてるんだ、お前は。
憐憫の情を含めつつ古泉を見上げると、存外真面目な視線が俺を見つめていて焦った。
正気の沙汰とは思えない。
いったい何がスイッチになったのか。10分前には正常だった頭が唐突にエラーを起こしてオカシクなったんじゃないのか?そうでなければ説明がつかない。
これまで同じ団員として過ごした数ヶ月の間、古泉がこういう素振りを見せたことは一度たりとてない。閉鎖空間の折手を握られたことはあるがあれだって不可抗力の内で、とかく距離は近い男だがその実、まともに触れたことは数えるほどなのだ。
なのに。
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