過去ログ - ハルヒ「BLって素晴らしいわね」
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/24(月) 03:33:24.93 ID:QGKEYDT0O
古泉が指定してきたのは部室でも教室でもなく、部室棟の屋上へと繋がる階段の踊り場だった。
ただでさえ人の少ない棟の、立入禁止の屋上へ放課後用事のある人間なんてまずいない。 人に聞かれたくない内緒話をするには打ってつけという訳だ。
古泉と二人きりになんぞ二度となりたくはなかったが、話すことになる内容が内容だから、人気のない指定場所は俺としても都合がいいと言える。
俺は鉄製の靴でもはかされているかのように鈍重な足を叱咤しながら一歩ずつ階段を上った。回りに朝比奈さんや長門がいないか、ましてやハルヒと鉢合わせしないか細心の注意を払う。あいつは俺がとうに帰ったものと思っているだろうから、もし見つかりでもしたら取っ捕まって職質を受けること間違いない。まさか古泉から脅迫まがいなメールをいただいて今からユスられに行くところですなんて口が裂けても言える訳がない。
指名手配犯にでもなったような気分で階段を上がる。
三階の踊り場まで来ると後は屋上に直通する通路になっていて、更に上がったところ、屋上への扉の前に呼び出しをかけた人物はいた。
見ないで済むなら見ずにおきたかった顔だ。
直視に耐えないという意味じゃなく。
古泉は俺の姿を目視すると、にっこりと非の打ち所のない微笑を浮かべた。
「どうも。早かったですね」
「どういうつもりだ」
眦を吊り上げて吐き捨てると、古泉がわずかに眉を上げた。
「何がです?」
「…お前が送ってきた写真に決まってるだろ」
「ああ、あれですか」
よく撮れてるでしょう、と嬉しそうに言う。
いちいちこちらのカンに障る態度を取るのはもしかしてわざとか?
そのとぼけたツラを殴りつけたい気持ちがものすごく湧いてきたが、事態をややこしくするよりは速やかに用を済ませて立ち去りたい思いの方が圧倒的なのでこの際脇においておく。
「そんなことはどうでもいい。さっさと携帯出せ」
「残念ながら、そうはいきませんね」
眉根を寄せて睨みつけると、両手を開いて肩をすくめるポーズをとる。
「別に金品を脅しとるなどというつもりで撮った訳ではありませんから安心してください。保険とでも言いましょうか。まあ、趣味の一環でもありますが」
どんな趣味だ。変態め。
吐き捨てると、形のいい唇の右端が更に吊り上がる。
そうするといつもの如才ない微笑と違って、どこか酷薄な印象になった。なまじ美形なだけにそんな笑い方をすると異様に様になっていて迫力がある。
いったいいくつ笑顔のパターンがあるのか。笑顔がデフォルトだから、微妙に差異をつけることで喜怒哀楽を示してるとか言うんじゃなかろうな。長門みたく。
「保険?」
「ええ。簡単なことです。昨日あったことを、特に涼宮さんには悟られないようにしていただきたいんです」
口止めしたかっただけか?
それが何で保険なんだ。
古泉が指先で栗色の前髪に触れながら言葉を接ぐ。
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