過去ログ - 【咲-saki-ss】加治木ゆみ「開けずの扉」
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[sage saga]
2014/11/24(月) 21:38:51.82 ID:CCn7M9KF0
後から来た睦月にも妹尾にも、昨日のことを話した。やはり、蒲原と同様の反応であった。みな、それ程気にしていなかったようだ。
やっぱり、気にしていたのは私だけか。
それから何日も経ったが、扉のことを気にする者は一人もいなかった。
扉も、開けられた形跡がないことから、もう誰もその扉を開けようとした者はいないのだろう。みんな扉を忘れ、気にしなくなり、ついには扉の前には物が置かれた。
そうやって、私達は扉のことを完全に雑多な日常の片隅へと追いやってしまったのだ。
そうして、また幾日か過ぎて行く。
最近、あの麻雀部と音楽室の間のスペースが少しだけ、広くなったように感じる。気の所為だろうか––––。気の所為さ、と蒲原は言う。
こうして––––。
私達の日常に、完全に扉は消えていなくなった。
幾日か経ち秋は深けていく。風もこの頃は刺すように冷たくなってきた。時が経てもなお扉は以前、麻雀部の部室に確かな存在感を保っている。
窓を開けると、風とともに桃子の囁く声が幽かに聞こえてくる。
「開けないっすか––––先輩」
私は。
開けないよ––––。
と、風に向かって呟いた。
カン––––。
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