過去ログ - 【咲-saki-ss】加治木ゆみ「開けずの扉」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/11/24(月) 21:17:33.21 ID:CCn7M9KF0
 そもそも、開かずならぬ開けずなのだ。

 開かずの扉なら、それは古くなって扉が壊れただとか、鍵が無くなっただとか、又それらしく呪いが掛けられてあるだとか、如何にもな理由が付けられる筈だ。この話なら扉だけで成り立つ。

 だが、これは開けずの扉なのだ––––。

 開けようとすれば開けられるのに開けないのだ。扉に対して人が居なければ、開けずという文句は成立しない。

 つまり、こっちの話は扉と人との関係がなければ成り立たない。

 誰に対して––––。

 何故、開けてはいけないのか––––。

 怖がらせる為の作り話だとしても、他と比べ、ここまで説明不足である必要もないだろう。いや、あえてたった一文のみという他の練りに練られた話と特異性を出すことで、何とも理解し難いと云う恐怖を演出する効果になっているのかもしれない。

 現に、私はその効果に嵌っているのだから––––。

 普段ならそんな馬鹿馬鹿しい作り話なんかには、興味を示さない。それが麻雀部の部室にあるからと云って、別に何とも思わない筈だ。

 蒲原はきっと興味を示すだろうが––––。

 ふと、私の頭蓋の中で、蒲原の顔が反転して笑った。

 何故か逆さになった。




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