過去ログ - 【咲-saki-ss】加治木ゆみ「開けずの扉」
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[sage saga]
2014/11/24(月) 21:19:12.12 ID:CCn7M9KF0
凡てが終わり、さて鍵を掛けて帰るか、と思いふとまた部室を見渡した。
扉は暗がりの中で、カーテンの間隙を縫って入ってくる僅かな光を反射してぼうと浮かび上がっていた。窓のすぐ外は、人気の無い山中になっているので人工の光はまず入ってこない。だから光源は月や星などの、自然の光だけである。
暗がりの扉は異様な存在感を放っていた––––。
今まで気付きもしなかったのに––––。
一度、気にすれば扉の存在感は風船のように大きく膨らんで行く。
まるで––––と思いながら、部室の鍵を掛ける。
すっかりと陽が落ちたというのに、まだ隣から演奏音が響き渡っている。流行の曲なのだろうか。それとも、古い有名な曲なのか、私には判らない。私が気にし始めた時から、何度も同じ曲を演奏しているような気がする。
何か間違えたのか、曲は途中で区切られまた頭から演奏を再開する。
多分、この時間帯の校舎には遅くまで練習をするブラスバンド部と、職員室の教師達、そして私の他には残っていないだろうと思う。
蒲原も睦月も、今日は用事があると早くに帰ってしまったからだ。私はと言えば、つきっきりで妹尾の麻雀を見ていて、その妹尾も習い事があると云って私より先に帰っていったのだ。つまり、今は私独りであった。
賑やかな演奏があっても、それでも独りの校舎はうら淋しいと感じた。普段人が集まる場所で、独りというのは、それだけで余計に心細くなるものだ。
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