2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 02:37:59.56 ID:a4v2ARuR0
『水漏れですね。分かりました、直ぐに向かいます』
「あ、あの、初回の依頼なんですが……」
『はい、えーと如月千種さんですね。ご住所と電話番号を教えて頂いても?』
人が訪れる事のない私の家だけに、他人に住所を教えるのは久しぶりの事かもしれない。
娘でさえ、近づかないのだから。
『はい、畏まりました。それでは約15分ほどで到着しますので』
「よろしくおねがいします。それでは失礼します」
電話を切ったあと、水がそのままでは勿体無いと感じたので、浴室の風呂桶を持ってきて、水が溜まればそれを洗濯機に移すなどしていると、あっという間に15分以上経っていたようだ。この時間なら普段は鳴る筈のないドアチャイムの音に若干の驚きを感じながら玄関に向かう。のぞき穴から外を見ると、予想していたよりも若い青年がドアの前に立っている。紺色の作業着は周囲の暗がりに溶け込みそうだったけれど、真っ白な顔だけは、薄暗い廊下の照明に照らされてハッキリと見えた。
「どちら様でしょうか」
『便利屋BLUE BIRDです。如月千種さんのお宅でよろしいですか?』
「はい……今開けます」
ドアチェーンを外して扉を開くと、私よりも頭1つほど高い青年がそこに居た。声からすると、電話に出たのもこの青年の様だ。
「本日はご利用ありがとうございます。担当させていただきます高井勇です」
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