過去ログ - モバP「彼女たちの屈折」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/29(土) 11:52:39.94 ID:L4/wSLr5o

プロデューサーさんは、私の……もっ、森久保の居場所なんて、
探さなくったって最初から分かってるはずなんです。
だって、森久保はあの日から、隠れるときは決まって机の下なんですから……。

森久保が逃げ出して、机に潜り込んで少し経つと、
いつも同じぐらいの時間で、プロデューサーが部屋に戻ってくるんです。
森久保は机の下で頭を抱えているんですけど、足音のリズムで分かってしまうんです……。

プロデューサーの気配が迫ってくると、心臓はうるさくなって、目は勝手に涙目になって、
背中にあたる冷たい机の感触が、もう逃げ場は無い、と言ってくるんです。

震える手足を身じろぎさせちゃうと、机の下の漫画とか、キノコとかが当たって、
音が少しでも立とうものなら、森久保は体がガチガチになります。

プロデューサーさんは、森久保を探す素振り――いつも、そういうフリするんです――で、部屋を歩き回ります。
足の運びは不規則。おもむろに立ち止まって、意味ありげに足を止めてみたり、
書類を探すような手つきで、机の天板をさすります。まるで自分の背中を撫でられてる気がします。
森久保は、プロデューサーさんの物音だけで、じくじくと色んなものを削られていきます……。


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