12: ◆PkcGZY53VaTt[saga]
2014/11/30(日) 00:03:02.04 ID:JENVX62b0
(……そうだ、まだミッションは終わっていない……)
帰らなければならない、あの技術者の元へ
帰らなければならない、あのぬいぐるみを抱えた童女の元へ
帰らなければならない、あの自分を目覚めさせた少女の元へ
(……あいつとの約束も、まだまだ果たせてはいないからな)
沈んでいくボディを起こし、水面上をまるで挑みかかるように見つめる。とにも格にもまずは海上に出なくては話にならない。
「……ふっ!」
ゼロは真下に迫っていた海底の砂を思いっきり蹴り、弾丸の如き速さで飛翔する。が、やはり水圧がとんでもなかったのか、途中で勢いを失いそうになるが、足に力を貯めて今度は水を思いっきり蹴り飛ばすと再び下の勢いで水面上へと揚がってゆく。
海底から海上まで、20秒も掛からなかった。
「っは!!」
息継ぎをする潜水選手の様に会場にたどり着いたゼロが見たのは、どこまでも続いているかの様に見える綺麗な青い青い海、澄み渡った、蒼い空。
人ならば、思わずため息を吐きそうなその美しい光景を前に
「…………な、ん……!?」
ゼロは、絶句した。
ありえない、こんな綺麗で美しい光景、自分達の世界の海では「絶対に起こりえない」少なくとも今はあのエリア・ゼロ以外にこんな光景が見られる場所など無いはずだった
おかしい、何かが狂っている。ゼロは彼には珍しく少しばかり動揺し、狼狽えた表情を僅かに見せる。
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