過去ログ - 海未「夜の果てへと旅立ったあなたへ」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/01(月) 14:19:07.36 ID:2hBFblv8o

 高校三年の夏ごろ、雪穂に高坂家の秘密を打ち明けられました。

 あの子が夏風邪をこじらせて授業後に倒れた日の夜、
 二人でおかゆと氷枕を支度する合間のことでした。

 私とお姉ちゃんは、半分他人なんだって。
 叔母さんの三回忌の時に、親戚の人から聞いちゃったの。
 連れ子のくせに要らん口を出すなって、
 お姉ちゃん怒鳴られて、お父さんも何も言わなくて。

 姉と同じ色の瞳を蒼く曇らせうつむく雪穂に、
 その倒れそうな姿に思わず私は手を伸ばすのですが、触れる手前で払いのけられてしまいます。

『ごめん。海未ちゃん、これは、うちの問題だから。

 ……お姉ちゃんを守るのは、私しか、居ないんだから』

 今にして思えば、
 雪穂はあの時から愛する人と添い遂げる覚悟を決めていたのでしょう。

 言い切った雪穂の目に、
 それでもとすがった私の声など、
 あの時からすでに聞こえていなかったのです。




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