過去ログ - 「恋を教えて」
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4: ◆NKLpmDNl12[saga]
2014/12/02(火) 22:14:03.51 ID:ZpbmKY/Z0
「興味、かあ」
そう言って彼女は伸びをすると、勢いよく机から立ち上がった。
「私、部活抜け出してきてるんだ。そろそろ戻らなきゃ」
「わかっ…」
「興味があるんなら、部活見ていけば?」
思いもよらない発言に私は驚いた。これまで私が(あくまで)秘密裏に観察していたのに、相手から進んでこう言ってくれるのだから、これに乗らない手はない。私は二つ返事でお願いした。

部活で点を入れるたび、その子は他のメンバーと肩を組んで喜んでいた。その女の子と、さっきの告白した女の子と私は、どう違うんだろう。触れるだけなら、誰にでも出来そうなのに、恋とかそういう関係になると意味が変わってしまうのか、そう考えていると、後ろから思い切り背中を叩かれた。

「終わった!から待ってて、着替えてくる」
やっぱり汗の匂いがしない。普段から運動しているとこうなのかな。


「私さー、男の子からは興味あるって言われたことあるんだ」
成り行きで2人で帰ることになって、その子が話し始めたのがその話題だった。
「なんか分かんないけど、女の子らしくないのに可愛いから変なんだって。そいつとは、この前まで付き合ってた」
「1組の男の子フッたのは?」
「それは本当。だってそのときもうそいつと付き合ってたから」
過去形で話す彼女の横顔からは表情が読み取れない。夏で日が長いとはいえ、もうあたりは暗がりだったからかもしれない。
「私は…好きだったのかなーわかんない。でも興味があるって言われて付き合う私もどうかしてるよね」

「でも最近話さなくなってさ、倦怠期みたいな感じなのかな…で、私ももういっかーってなっちゃった」

それ好きじゃなかったんじゃないの、と堪えきれずに言うとまた彼女は笑った。もしこの男の子と付き合ってなければ、たぶん好きでもない1組の男の子に告白されたとき、OKしてたのではないだろうかと思うくらい、彼女はそういうことに無頓着だった。

「きみは私に興味があるの?」
「そうだけど」
「じゃあ私のこと、好き?」
「好きかわからないけど、…というか、その計算式はおかしいよ」
興味があるのは好きの裏返しではない。踏み出す一歩かもしれないが。


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