過去ログ - 【艦これ】提督「なぁ、山城」 オイゲン「三つめです! ビスマルク姉さま!」
1- 20
971: ◆vkx/VtAX92[saga]
2015/05/30(土) 21:35:03.23 ID:pb2MF0Xs0

凪の海の上に浮かぶ小島のすぐそばに一隻の軍艦が座礁していた。
満身創痍といわずしてなにを満身創痍と呼ぶのかと辞書に例として掲載できるほど、船体には大穴があき、後部主砲、副砲や機銃などがつぶされていた。だが、もっとも大きな被害は艦橋だろう。

艦橋に煙幕が立ち込め、艦橋上層部しか見えることができない。
その原因は、はっきりとしていた。

艦橋のすぐ前に一機の二足歩行戦闘機が降り立ち、その左腕に装備された高周波ブレード(一見すれば巨大な日本刀)が艦橋に突き刺さり、縦一線に切り裂いていたため、粉じんが舞っているためであった。

二足歩行戦闘機は停止し、一切の動作をやまていた。艦も同様であり、動く者などいない。だが、いまだに煙が晴れない艦橋で、不意に艦橋で動くものがあった。

それは煙幕が晴れるとこっそりと顔をのぞかせた。

身長は160cm弱、緩やかなウェーブのかかったブラウンの髪に同じ瞳の色をした欧米人特有の白い肌、美貌と呼んでも差し支えない美人である女性だが、聊かすすけていた。

彼女――イタリア戦艦・艦娘リットリオは恐る恐る、顔を出し、いまだに動かない二足歩行戦闘機の様子をうかがっていた。だが、いつまでも動く様子はなく、艦橋に二足歩行戦闘機が装備している長刀が突き刺さり、袖口からコードが長刀に繋がれていることを確認、艦娘機能に搭載されたいくつかの機能モードを機動させ、接触回線を試みてみることにする。

結果からいえばすんなりと接触回線とコンタクトが取れた。だが、この二足歩行戦闘機はオペレーターとグラダーが共に搭乗するタイプらしく、二つの回線が開かれる。迷うこと数秒、とりあえず、どちらにもコネクトしてみたが、いまだに彼女、リットリオは気が付いていなかった。

それは、相手の防壁が未だに構築されておらず、接触回線を開けば一方的に繋がってしまうことに、そして、ウィンドウが二つ開かれ、一つは砂嵐だが、もうひとつには

『だから罪を認めておとなしく銃殺刑に――』

『いやいやいやいや、やってない、やってない! 仮にやってたとしてもってこれはねえよ!! なに不吉なこと言ってんだお前は!』

狭いコクピットの中、手をバタバタと左右にふりながらも自らの罪を必死に否定する操縦者と無理やり肯定しようとするオペレーターの醜い応酬が繰り広げられていた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/443.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice