過去ログ - 咲「私たち」嫁田「結婚しました」
↓ 1- 覧 板 20
22: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:42:09.40 ID:rxM9pnT30
しかし話を聞いてみると、今まであっさりしていた原因は私のせいだったわけで
事実を知ってしまい、いたたまれない
私がまだちゃんと嫁田くんを好きと認識していなかったことを、彼は知っていたのだ
23: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:43:41.84 ID:rxM9pnT30
そんな私を見て我慢出来なくなった、なんて嬉しそうに言われ
私は顔を真っ赤にして俯き、暫く顔を上げられなかった
彼が私を好きになった経緯はと問えば、上手いこと躱されてしまったけれど、いつか絶対に聞き出したい
24: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:46:28.92 ID:rxM9pnT30
ダメ、と笑顔を向けられてしまえば当然逆らえない
急に耳朶を噛まれ、私はひゃあっ!と声を上げた
嫁田くんはといえば肩を揺らして笑っていて
25: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:47:46.73 ID:rxM9pnT30
いつ私を好きになってくれたの?
隙があれば真面目な顔で尋ねてくる妻に、違う話で誤魔化すのが難しくなってきた
今にも零れそうな大きな目で見つめられると、うっかり口が滑ってしまいそうになる
26: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:53:08.60 ID:rxM9pnT30
社会人になって一年目の、二十三歳のときだった
結婚をする気が全くないにも関わらず、会うだけでもいいから一度会ってみてくれ
そう父が熱心に推してくるものだから、本当に会うだけのつもりで受けた見合いだった
27: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:55:35.15 ID:rxM9pnT30
父もまた俺の反応に困惑している
きっと適当に返事されるのだと思われていたのだろう
話を促して、どういう経緯でこんな話になったのかを問えば
28: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:58:10.18 ID:rxM9pnT30
宮永咲。高校時代の友人で、麻雀部に所属していた
驚異的な麻雀の打ち手で、俺はたちまち彼女のファンになり何度も試合を観に行った
普段は温厚な雰囲気なのに、試合になると凛としていて
29: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 19:59:20.45 ID:rxM9pnT30
棚ぼたとはこのことか
思いもよらない幸運に、何としてでもこの見合いを成功させなければならないと張り切る俺
そんな俺を、父は面白そうに見ていた
30: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 20:02:14.87 ID:rxM9pnT30
今でこそ新婚らしい生活が出来ているが、ここに至るまでの俺は相当な努力をしている
肝心の咲の気持ちがわからず不安になったし
それならば好きになってもらうように努めようと、彼女の嫌がりそうなことは一切しないようにと努めた
31: ◆qDxP.SGUqA[saga]
2014/12/03(水) 20:04:29.95 ID:rxM9pnT30
俺といる咲の顔が嬉しそうに緩むようになったのだ
前からそういう表情をしていたのか
それとも俺が咲をわかるようになったのかは定かではないがあの時は本当に浮かれた
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/12/03(水) 20:07:14.32 ID:3tFzPwZ9O
良いね
528Res/227.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。