過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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12: ◆eohhG1Orlc[saga]
2014/12/04(木) 02:37:51.85 ID:G2ivB1fDo

「先程から、要領を、得ません。私に何を」

 今なお続くこの何とも言えぬ浮遊感を感じながら、私はお嬢様に尋ねた。

「少しだけ、悪戯をしてみたのよ。そうね、最初はただの戯れだったかもしれないわ。貴方は頑張っている。貴方は努力している。その貼り付けた仮面(ペルソナ)が本物になるように」

 それは、お嬢様からそう成る様に言い付かっていたからだ。

 元は細胞生物。私はヒヒイロノカネを使い、原罪である『暴食』と根源に巣食う他者の渇望を駆逐し、この体へと変生した。

 最初の頃は私にカリスマなど有る筈もなく、よく苦言を呈されたものだ。だが、時間は合った。それ故に、今の私は居る。

「貴方は魅力的になった。私は、そこに気付き酔わされた。バアル・ゼブルは高貴なる館の主の意。その成長に、何時しか狂わされた」

「冗談、ですよね」

「冗談などではないわ。からかっているわけでもない。かつては犬の糞の成り損ないと私は貴方に言ったわ。でも、今の貴方はどうかしら? 咲夜には劣るけれど、貴方は十二分に執事として成熟している。私の隣に立たせる資格は、もうとっくに満たしているの」

 その言葉は正しく身に余る光栄だったが、素直に喜ぶ事が出来なかった。

 不和の音が、私の中で鳴り響き続ける。



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