過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
1- 20
162: ◆eohhG1Orlc[saga]
2015/11/12(木) 19:30:13.43 ID:ANEQ+UFOo

阿求「夢美さんだって、早苗さんだって、きっと思い出しています」

刑「だからこそ、オレは背負うべきなんだろう?」

阿求「そうなってしまいます。ですが、今はその時ではない」

 肯定から来た否定とも取れる言葉に、オレは怪訝に眉を顰める。

阿求「だって、貴方は駆け抜けましたから。この幻想を、その思いと共に。貴方の持つ渇望を、夢を、願いを胸に、全うしたんです。だから、これくらいの平穏を過ごすことくらいは、赦されていいんですよ」

刑「……これまでそうして来た者達と同じように、か」

 この先に待つものをオレは良くは知らない。だが、話には聞いた事がある。

 もちろん直接というわけでもない。それはかつてのオレの一人が聞いた話である。

 伯爵、鬼神、蜃気楼、刃、薔薇――それらは今もこの幻想郷に居て、そして何度も見守っている。

 以前のオレが清算した存在、その大元にこの幻想を奪わせない為に。

 オレもその一人であるというから、きっと彼らの様な存在になるのだろうとは思っていた。

刑「それがオレの生まれた意味、か」

 ここで終わりではない。始まりすらしていない。始める為にオレは居る。だからこそ、彼女たちと共にあれる。

 不意に早苗と夢美の方を見てみれば、彼女達は此方へと歩み寄って来ている所だった。

 早苗の髪がボサボサになっている。夢美にああされたのだろう。南無。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
177Res/99.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice