過去ログ - 【小ネタ版】幻想にのたうち給う【幻想入り】
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31: ◆eohhG1Orlc[saga]
2014/12/07(日) 02:10:17.52 ID:/GqTrTx+o

 俺が唯我曼荼羅・射干を背負い、異変を起こして幻想郷を眠りに就かせた時の話だ。

 俺は、俺の持つ役割の先駆者達と戦い、小野塚や布都と戦い、妖夢と死合いを行った。

 あの時は、本当に鬼気迫る状態だった。そう成らざるを得ない事情もあった。

 それを止めてくれたのが、妖夢だ。彼女のお陰で、俺はこうして居られている。

妖夢「……腑抜けてしまっているのでしょうか」

現「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないな」

 あれから、俺と妖夢は『太極』に到れていない。

 それは、この幕劇の――俺という存在の物語の終盤を飾る為に顕現したのかもしれないと思っている。

 別にその事を気に病むつもりはないし、今は必要なものでもないとも考えていた。

 あれは、願いを法則として世界に作り出せる程の力だ。

 あの時、妖夢は己を一振りの鋼として森羅万象を断ち切ることを可能としていたし、俺は己を蜃気楼としてあらゆる可能性を引き出せる様になっていた。

 そんなものを持っていても、不都合でしかない。今はまだ分不相応の力だ。持て余すに決まっている。

 鬼神の様に大成しているなら、伯爵の様に自らを律しているならばまだしも、目の前の少女と俺にはそんなものが必要だとは思えないのだ。

 もしもそれを使える時が来るならば、それはあの『異常』が目覚めた時だろう。

 もしくは、俺が背負い浄化した射干を持つ者が溢れた時だろう。

 今はまだそんな様子もなく、平和そのものだ。

 だから、もしかしたら彼女も自分も腑抜け始めているのではと思ってしまう。



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