2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/04(木) 03:34:57.11 ID:qag8A9teo
お別れの挨拶を悟られぬよう一通り済ませてから、
私はあの子の待つ公園に向かいました。
指先から深深と寒さが染み込み、
ひとりで手をさすり合わせながら、
点々と並ぶオレンジ色の街灯と 白い息が流れて消える先へと歩きます。
向かいのお宅の寝静まった柴犬、
遠くの道を笑いあいながら 過ぎてゆく学生たち、
家路へ急ぐ スーツ姿の初老の男性。
かつての通学路に立っていたコンビニがもう閉店してしまったせいか、
日付も変わる今ぐらいにはこの通りもやけに暗く感じます。
「テナント募集中」のしなびた張り紙が目に入ると、
いつかにポイントシールを意気揚々と集めていた 懐かしい笑顔が浮かんで、
そのかけがえのなさに、
思わず立ち止まってしまいそうでした。
数十メートル先の赤信号の光が
熟した果実のように胸を痛めるのは、
もう二度とかえれない、甘酸っぱい日々を 思い出してしまったからでしょうか。
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