過去ログ - 海未「離陸する夜/鎖をぬけて」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2014/12/04(木) 03:36:09.81 ID:qag8A9teo

  父上、私は弱い子です。
   弱くて、悪い娘に育ってしまいました。
    これから私たちは、この世でもっとも重い罪を犯します。



 ――ねえ海未ちゃん。
   さいごだから、ちょっと寄り道していいかな。


 指さした先では、ブランコがきぃきぃと風に揺れてありました。

 穂乃果は飛びつくように走り出し、
 私の手もそこに引きずられて、ふらふらとそこにたどり着きます。

「海未ちゃん、座って。押したげるから」

 私の少ない荷物を肩からそっと外すと、
 穂乃果は私を 否応もなく座席に座らせます。

 手に掴んだ鉄製の鎖は赤茶色に錆びていて、
 どう考えても 冷え切っているはずなのに、
 なぜか 懐かしい温もりを感じるようでした。




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