過去ログ - 五十嵐響子「ハートフルレインボー」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/12/05(金) 01:24:49.82 ID:O387eX4y0
仲間のCDデビューが決まったのだし、お祝いしてあげなくちゃ。
頭ではそう思っていても体と心は言うことを聞いてくれない。
彼女の周りには大きな人だかりが出来てお祝いの言葉が満ち溢れていた。
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2014/12/05(金) 01:27:50.21 ID:O387eX4y0
事務所の仲間や芸能界の知り合いの人からは「次のデビューはキミだろうね」「キミのCDが聞けるのを楽しみにしているよ」という言葉を何度も聞いてきた。
キュート・クール・パッションプロダクションの3つのプロダクション合同企画であるアイドル総選挙でも、200人近くいるアイドルの中で50位以内には入っていたし、一番最近開催されたものでは24位という順位にランクインできた。
しかし、一年経っても二年経っても未だに私のCDデビューの夢は叶っていない。
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2014/12/05(金) 01:30:25.02 ID:O387eX4y0
しかし、私はまたしてもデビューするアイドルに選ばれることはなかった。
それどころか、事務所に後から入ってきた子に先にデビューを越されてしまっている。
この世界は実力社会。入った順番など関係ないのは理解しているが、それでも先にデビューされてしまった悔しさはある。
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2014/12/05(金) 01:31:58.73 ID:O387eX4y0
響子「フレデリカさん。デビューおめでとうございます」
フレデリカ「響子、ありがとー」
そう言った彼女の顔はとても嬉しそうだった。
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2014/12/05(金) 01:34:07.86 ID:O387eX4y0
ふう。ようやく人垣を抜けだして一息つくことができた。
そのとき、後ろから急に声をかけられた。
P 「響子」
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2014/12/05(金) 01:36:32.60 ID:O387eX4y0
響子「Pさんのせいじゃありません。私の努力が足りなかったんです。でも、次こそはデビューするためにもっともっとレッスン頑張って、ファンのみんなのハートを捕まえちゃいますよ!」
そう言って私は両手に握り拳を作ってガッツポーズをしてみせた。
しかし、Pさんの顔色は一向に良くならず、むしろ沈痛さが増していた。
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2014/12/05(金) 01:38:35.91 ID:O387eX4y0
響子「あの、Pさん?」
P 「響子、ちょっと外に行って話そうか。飲み物でも買っていこう。なにがいい?」
響子「じゃあ、暖かいミルクティーをお願いします」
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2014/12/05(金) 01:47:23.98 ID:O387eX4y0
11月の夜空は、ビルの屋上ということもあってか思った以上に肌寒かった。
P 「今日は一段と冷えるな。これ着といて」
Pさんが自分のスーツの上着を私に貸してくれる。
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2014/12/05(金) 01:48:26.97 ID:O387eX4y0
響子「ありがとうございます。でも、Pさんは寒くないんですか?」
P 「俺はほら、響子がいつも気を使ってくれてるからここ最近凄い体調がいいんだ」
だから大丈夫と言って缶コーヒーをちびちび飲んでいた。
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2014/12/05(金) 01:49:42.04 ID:O387eX4y0
P 「響子。自分の名前が呼ばれなかったとき、どう思った?」
響子「えっと…残念でしたけど、同じ事務所の他の子がデビュー出来るのは凄く嬉しいって思いました!」
P 「それは本心か?」
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2014/12/05(金) 01:52:37.18 ID:O387eX4y0
響子「そんなことは…」
P 「ここは俺以外誰もいない。ここならいくらでもお前の本心を、言いたいことを言ってもいいんだ」
響子「本心なんて…嫌だなぁ。私は全然そんなの…」
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