18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/05(金) 05:21:37.20 ID:TJvuoh9dO
エンディング
今日、私は少し嘘をついた。
中学時代、はじめは京ちゃんなんて怖くて仕方がなかった。
けど。
先輩達に囲まれて困っていたのを助けてくれたのが。
「邪魔」
京ちゃんだった。
はじめはお礼を言おうとして後ろをついて回ったけど。
「邪魔」
……容赦なくげんこつをもらったりした。ひどいよ、京ちゃん。
あまりにも意地悪だから。
「喧嘩より面白いこと沢山あるのに、馬鹿みたい!」
なんて言っちゃって。
「……じゃあ教えてくれよ、他の楽しいこと」
あれが最初の会話だったね。
私はオススメの本を読ませたり、スポーツの観戦に出掛けたり、ラーメン食べたり、夜中に星を見に行ったり、遊園地にも出掛けたり……ほとんど私が楽しいことばっかりだったけど。
「けっこう面白いな、咲」
なんて京ちゃんも楽しんでくれて。
だけど、これはナイショ。
京ちゃんのバイクの後ろに乗せてもらったり、京ちゃんの家で映画みたり、京ちゃんのハンドボールの練習に付き添ったのは……私と京ちゃんだけの思い出だから。
京ちゃんの素敵なとこは、私だけ知ってればいいの。
「ね、京ちゃん」
「なんだよ、咲」
「なんでもない」
「おかしなやつ」
この気持ちも、だから今はまだナイショだよ。
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