過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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11: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 16:40:05.78 ID:x2ueaAjJo

★◇


 深い感情を秘める少女は、清廉潔白な少女の手を引いてビル内部を移動する。
 まずは地上に出ることが先決だった。襲撃者の行動し辛い位置取りへと逃げ込む為に。

 手を繋いだ二人は言葉を交わさず、階段を駆け上がる。
 そして、ばったりと青髪の少女とぶつかった。

「まどか! それと、転校生?」

「いないと思ったらこんなところにいたのね。丁度いいわ、ついてきて」

「はぁ、ちょっといきなり何言ってるわけ?」

「いきなりで悪いけど付き合って頂戴。それともこの子をこのまま放って置いてもいいというのかしら」

 譲れぬ想いを燃やす少女は、恋に焦がれる少女の意識を傍らで怯える少女へと向けさせる。

「まどか? どうしたの、そう言えばさっきから震えてる? 転校生! あんた、まさかまどかに何かしたんじゃ……」

「さやかちゃん! お願い一緒に来て、よ……」

 瞳に涙を溜めて、精一杯をひねり出す。
 親友に拒否権は存在しなかった。

 三者三様、想いは様々、疑念も鬱々。しかし今は離れるという選択肢は那由多の彼方へ。
 地上部、立ち入り禁止の立て看板を迂回して現実へと帰還する。



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