118: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 21:39:13.37 ID:rQSpFBW+o
(ほむらちゃんの言っていた意味って、こういうことだったんだね……)
極端な話をしてしまえば今のまどかには目に映る気に入らないもの全てを破壊してしまえる力がある。
それは恐ろしいことだ。
力そのものには善悪はなく、使い方によって決定される。
だが、彼女にはとても、そんなことを信じることが出来ない。
(質とか量とか、良いとか悪いとかじゃなくって、ただあるだけで傷つける。
例えそれが傷つけるためものじゃなかっとしても……。
像が蟻さんに鼻を差し出したところで蟻さんにはそれが友好的なものなのか好戦的なものなのか、
区別がつけられらない。それとおんなじ)
目の前の人にしたって、きっと何か理由があってああなったのだろう。
と、まどかは考える。考えながらも引き絞った弓を下ろすことはせず、番えては放ち、また番えては放つ。
どんな理由があったところで、それは彼女が止まる理由にならない。
(でもたぶん、私はほむらちゃんよりも、あの人に近い)
傷ついたほむらの姿と、笑うほむらの姿が浮かんで溶けて、混ざり合う。
一筋の弾丸がまどかの頬へと傷をつける。マミの反撃が始まった。
まどかは切れた頬に一瞬だけ意識を向け、構わずに弓を引き続ける。
(例えそれが間違いだとわかっていても、正しい道と天秤にかけてでも、選んだ以上は止まらない。止まりたくない)
腕に、横腹に、太ももに、腰に、弓に、銃弾が掠る。
気にも留めずにまどかは射続ける。
(誰に分かってもらう必要もない。ただ、決めた道を最後まで進む。その先が絶望しかないとしても……)
だんだんと、銃弾のブレは少なくなる。その分だけまどかの体には傷が増えていく。
(でも、ね。私たちみたいな化け物は、この世界に、必要ない……、)
まどかの矢が、マミの銃弾が、互いのソウルジェムの芯を捉える。
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