53: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:36:16.98 ID:x2ueaAjJo
マミは杏子の体を引っ張り上げ、立たせる。
どうやら大事は無いようで、すんなりと起き上がることが出来た。
振り返り、魔女を観察するように睨みつけるマミは疑問を浮かべる杏子の方を向かずに言葉を続ける。
「あの魔女、本体は恐らく斧の方ね。だから体を倒しても復活してしまうみたい」
だから、と付け足しながら銃を召喚しなおす。
「私が体とその周りをうろちょろしている奴を吹き飛ばすわ。その隙に本体の方を壊してもらえる?」
ちらり、と互いに目配せをすると頷き合う。
「分かった!」
杏子のその言葉が反撃の合図となって、二人の体が動き出す。
まずはマミが自身が被っている小さな帽子を放り投げ、その中から長銃の雨を降らせる。
数多召喚され、地に差し込まれたマスケット銃を次々引き抜き、魔女と使い魔に向かい、乱射する。
それは驚くほどの速度と正確さで、使い魔たちを蹴散らし斧を振るう体にも大きなダメージを与えていく。
反撃を許す隙さえないその連撃は、舞うように洗練されていて、鮮やかの一言に尽きた。
宙へと逃げる本体に向かい、特大の砲撃を打ち上げる。
その一撃は斧を振るうための体を一撃で吹き飛ばすのに足る威力をもって魔女を撃滅する。
「今よ!」
マミの声が響き、杏子が宙へと身を投げ出す。
「はあああぁぁぁぁぁ!!」
白煙の中へと身を投じた杏子が叫びをあげ、斧の中心部を逆手に持った槍で衝く。
瞬間の拮抗。
束の間の静寂の後、槍が斧を穿ち、砕く。
「や、やった!」
杏子はマミと目を合わせ笑う。
マミは微笑み返して、それに答える。
「お見事ね!」
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