過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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59: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:45:05.21 ID:x2ueaAjJo

★★


 魔女の姿は人馬一体。大きな槍を振るう女性的な流曲線。
 眼前の光景にマミの体は竦み、思考と感情がそれを煽ぎたてる。

 戦え、死にたくなければ魔女を倒せ。
 魔法少女としての本能が目の前の魔女を殺せと叫ぶ。

 しかし同時に近くに転がる佐倉杏子の亡骸をもって逃げるべきだ、と理性が叫ぶ。
 状況を整理してまずは落ち着いて生き延びることを考えべきだ、と。

 人馬の魔女は動かないマミをゆっくりと正面から見下ろしている。
 本当に見下ろしているのかどうかは定かではないが、少なくともそう見える動作を起こしている。

 眺めるように、観察するように、ゆっくりとじっくりと視線を這わす。
 それは相手を見定める行為だ。

 相手の価値を見定める行為、つまり目の前の魔法少女が戦うに足る相手なのか、それを確かめるためのものに他ならない。

 ゆっくりと魔女は得物を取りまわす。
 クルクルと緩く回転させ、上段から空を裂くように振り下ろし中段へと構える。
 その所作はしっとりとしていて隙がなく、酷く女性的なのにあまりにも力強かった。

 そしてそれを茫然と眺めていたマミはその動作に影を見出す。
 そう、佐倉杏子の動作を鏡に映したように面影を残していた。

 立ち振る舞い、構え、槍の扱い。
 どこをとってもそれは彼女のものに他ならない、巴マミの記憶が彼女自身に訴えかける。



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