過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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66: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 17:55:25.48 ID:x2ueaAjJo

 動作を読み、太刀筋を見極めて打ち合う。

 銃対槍。

 間合いは完全に槍の物。だというのにマミと魔女は互角に打ち合う。

 武器対武器の近接戦闘にも関わらず銃を獲物とするマミが打ち負けない理由はなんなのか。
 勿論、彼女が単純な格闘戦にも長けているというのも一つの理由だろう。
 だが、もっとも顕著なのは扱える得物の数だ。

 魔女は巨大な一本の槍を存分に振るいマミを猛攻する。
 対するマミは槍を捌くために用いた銃を持ち直さない。
 手首だけを先に振るい、その手の中に銃を召喚しなおすことで攻防の時間差、短い間合いでの致命的な隙を驚くほど小さくして戦っている。

 特記すべきは武器の再装填の早さだろう。
 単発式のマスケット銃という武器の弱点をカバーするための武器召喚の高速化が結果的に近接戦闘の高速化につながる。

 そう、繋がる、繋げる。それが、それこそが魔法少女巴マミの本領であり、本懐だ。

 魔女が巨体を震わし、二本の前足で大きく地を揺らす。

「ッ!」

 そのあまりの力強さに一瞬マミのバランスが崩れ、攻撃の嵐が停止する。
 ガンッ、と槍の石突が地面を抉る。

 その姿はまるで、杏子が幻惑の魔法を使うときの格好だった。

(まさか……分身ッ!)

 予測。
 経験に裏打ちされた勘は、ときに予知にも似た効果を発揮する。

 瞬間的に霧が、払われる。
 風圧が埃を巻き上げ、魔女の姿が三重になり、そして枝分かれするようにはっきりと実像を現す。



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