73: ◆FLVUV.9phY[sage]
2014/12/06(土) 19:08:02.32 ID:x2ueaAjJo
★◎
そして、時間は舞い戻る。
明方の見滝原は未だ暗く、薄らとかかる朝もやも相まってほとほと不気味な様相を呈する。
明方、つまり暁。決戦は必定。夜が明けるためには朝が来る必要がある。
運命の歯車は正しき時を刻む瞬間を待ち望む。
薄くかかるもやの中に徐々に強力な魔女の力が混じり始める。
それは次第に様々な形をもって現界し大きな魔女の出現を裏付ける。
身を守るために結界を展開する必要のないほどに強力な魔女。
十全の力を発揮すれば一つの文明を終わらせることが出来るとさえ言われる魔女。
その名は『ワルプルギスの夜』。
その規格外の強大さは人々にとって自然災害と誤認されるほどだ。
現に今も見滝原全域にはスーパーセルの発生が予測され住人のほとんどが避難所に集まっている。
そんな状況にも関わらず、屋外に出て空を見上げる人影が三つと一つ。
暁美ほむら、美国織莉子、呉キリカ。それから巴マミ。
ほむら、織莉子、キリカは固まって大通りの中央から空を望む。
地理的には見滝原駅にほど近い交通の要だ。
巴マミは一人高いビルの屋上から同じように空を望む。
全員が全員、これから姿を現すであろう魔女の気配を感じ取っている。
これまでとは文字通り格が違う相手。魔女を百体つなぎ合わせたとしてもお釣り返って来るような相手。
それが、見滝原の町に現出する。
暁美ほむらが幾度も挑み、その数だけ敗北を喫した相手。
鹿目まどかが必勝の一手とともに勝利をもぎ取り、代わりに災厄の魔女と成り果てる原因となる相手。
戦いになると思うことすら間違いだと思わせられる相手。
それが、ワルプルギスの夜。
そして、それほどの相手から勝利をもぎ取るために少女たちは集う。
動機も目的も何もかもが違う者同士が、ただ勝つためだけに魔女に相対する。
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