過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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76: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 19:13:43.64 ID:x2ueaAjJo

 マミは前方に、織莉子とキリカは後方にそれぞれ回避行動を起こし、難を逃れる。
 飛び出したマミはリボンの足場を軽やかに踏みつけ、ステップを踏むように銃弾をばらまいていく。

 後方へと跳んだ織莉子はマミの後ろから支援に入る。
 同時に後方へと跳んでいたはずのキリカはいつの間にかマミよりも大きく前に出て、ワルプルギスに急接近を仕掛けている。
 だが、そんなキリカよりも驚くべき速度でワルプルギスの夜が無数の砲弾に見舞われ、赫赫と燃え上がり、その巨体を揺らす。

 薄らと、少女の口元が緩む。

 鉄柱を蹴り、ビルの壁面を蹴り、リボンの足場を蹴り、電柱を蹴り、
呉キリカが猛然と爆発の中へと下方から突っ込む。

 大きく展開された十本の黒い爪が魔女の巨体を切り裂く。
 速力と切れ味をもってして宙づり状態の魔女の上半身を駆け上がり腰のあたりにまでその切り口を伸ばす。
 が、刃は振り切られることなくその動きを止め、巨体からずるり、と抜き出される。

《キリカ、離脱を急いで。その位置に一撃が来ます!》

 美国織莉子の予知がテレパシーを通してキリカへと通じる。
 それを受け取った瞬間、思考する間もなくキリカは爪を巨体から抜き去り、魔女の体を強く踏みつけて跳躍する。

 キリカの体が煙の内側から尾を引いて排出されると同時に、別の角度から使い魔の閃光のような攻撃が煙の中へと煌めいた。
 音を立てて直撃したそれがあたりの砂埃を払いのけ、ワルプルギスの巨体を朝焼けにさらけ出す。

 その姿にはまるで何事もなかったように傷一つついてはいなかった。



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