過去ログ - ほむら「向日葵と傷」
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84: ◆FLVUV.9phY[saga]
2014/12/06(土) 19:25:18.56 ID:x2ueaAjJo

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 ほむらの言葉を受けて、瞬間的に跳び上がったキリカは空中に息継ぎ用の小さな魔方陣を設置し、それを蹴りつけることで三角跳びの要領でワルプルギスへの距離を縮める。
 グングン、グンッ、時間にしてわずか二秒足らずのその瞬間は意味不明な爽快感に溢れていた。

(なんだか、これじゃあ現実逃避してるみたいだ)

 すぅっと、息を吸い込んでワルプルギスの巨体に足をかけ、踏みしめる。
 大きく展開した黒い爪と両足を使い、時にジャンプし、時に爪を突き立て、逆さ刷りの魔女の頂上を目指す。

 爪による斬撃は細かなものだが、それでも完全に無視を決め込めるほど小さくはないため、
使い魔や魔女本体の攻撃がどんどんとキリカのほうに集中していく。

 炎が、烈風が、槍が、影が、弓が、氷弾が、閃光が、ナイフが、針が、キリカを射殺さんと飛来する。

(こりゃ、ちょっと過激だなぁ。でもッ)

「遅い、遅い、遅いッ! そんなハエの止まるよーな攻撃私には効かないッ!」

 叫ぶ通りに全ての攻撃を持ち前の機動力と固有魔法でもって躱し、あしらう。
 彼女固有の魔法は速度低下。どんなに強力な攻撃だろうと、当たりさえしなければどうとでもなる。
 それを体現したような魔法だ。

 が、凶悪な効果を発揮する魔法だけに燃費はいいとは言えず、いくつかの弱点も抱えている。
 それでも、彼女の魔法はこの局面で最大の戦果を発揮する。

 攻撃を回避し続けながら、魔女の頂上まで到達した彼女は使えるだけの魔力を全て注ぎ込み、
特大の魔方陣を展開する。直後、迷わず飛び降りる。

 その高さは高層ビルよりも少し高い。
 いくら魔法少女といえどこんな高さから無策で飛び降りれば致命傷を負うことは間違いない。

 だけれど彼女は迷わず飛ぶ。



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