過去ログ - 志希「プロデューサーと、つきあうんじゃなかったかなぁ?」文香「……」
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6: ◆Freege5emM[saga ※出典 『枕草子』御方々、君達、上人など〜の段]
2014/12/06(土) 17:57:42.33 ID:OBaDQt9ro

「……つまり、志希さんは自分の好奇心の行方より、
 プロデューサーの関心の行方を気にするようになった、と。
 そんな自分に、戸惑っているのですか?」
「ズバッとくるね……文香ちゃん……」

「…………」
「…………」
「……え、終わりなの? 文香センセイの有難いお言葉」
「志希さんは、言われなきゃ気づけないほど、ニブイ人間ではないはずです」



「……あたし、さ。プロデューサーと会うまで、人目をうかがったことなかったんだよね」
「……それは、すごいですね」
「それが今じゃ、プロデューサーの一挙手一投足にヤキモキしてるなんて。
 ホント、あたしどうしたんだろ……?」



「……志希さん。私は、そういう話題について、偉い口が聞ける人間ではありません」

「……そう、なんだ」
「……何ですか、その間」
「いーえ、何でも」



「……なので、古人の言葉を借りることにします。

『思ふべしや、いなや。人、第一ならずはいかに』
(私は、あなたを愛してるのか、してないのか。もし、愛してても一番ではないとしたら、どうかしら)

 志希さんは、どうですか?」



「それは、ナニ? あたしが、プロデューサーのことを一番スキかってコト?」
「違います。あなたが、プロデューサーに好かれていても、それが一番でなかったとしたら、という話です」

「きっついコト、聞いてくれちゃうね……」
「……どうですか?」

「……やだよ。あたしは、一番に思われなきゃ、イヤ。自分が、一番大事だと思うヒトだから。
 なんとしても、プロデューサーの目をあたしに釘付けにしてみせる」



「……きっと、志希さんの変化もそういうところから生じてるんでしょう。

『第一の人に、また一に思はれむとこそ思はめ』
(私が一番大事だと思う人には、同じように私のことを思ってくれるよう願うものです)

 プロデューサーがどこを向いているかにヤキモキするのは、
 あなたがプロデューサーを一番に思ってる気持ちの裏返しです。
 それもあなたの気持ちなんです。きちんと認めてあげてください」



「……文香ちゃん、ありがとね。今度、文香ちゃんのために、とっておきの香水作るよ」
「……私、古書店で働いてるので、控えめな香りにしてくださいね」


(おわり)

読んでくれた人どうもです。


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