22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/14(日) 18:27:09.61 ID:F6x1vvEx0
「ふむ。まだぎこちないけど、十分みたいだね。それじゃあこれから、会う人みんなに笑いかけてごらん」
「え……」
「それができたら、俺は明日もここに来るよ。プロデューサーのお仕事としてね」
「!」
プロデューサーのお仕事としてって……それってつまり……
「さて、と。すっかり遅くなっちゃったな」
プロデューサーさんはゆっくり立ち上がると、
「それじゃあ、やよいちゃん。また明日」
「は、はい! えっと、また、あした!!」
私はベンチから跳ねるみたいに立ち上がると、勢いよく頭を下げました。
それを見たプロデューサーさんはにっこり笑うと、
「忘れないでな。今日帰ったら、家族にさっそく笑ってごらん。にっこり、ね」
そう言ってプロデューサーさんは、公園の出口に向かって歩いていきました。
私はその背中が見えなくなるまでずっと立ちっぱなしで、足が動いたのは公園の時計を見た瞬間でした。
「はわっ!? もうこんな時間! 長介たちがおなかすかせちゃう!!」
もうすっかり暗くなった公園から駆け出して、街灯の光を頼りに走ります。
たしか、まだ食材は残ってたと思うから、お買い物は明日すればいいかな。
とにかく私はまっすぐに、弟たちの待つおうちへ、いちもくさんに帰りました。
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