29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/14(日) 19:25:09.51 ID:F6x1vvEx0
「やよいちゃん、今日は楽しかったかい?」
「はい! みんなが私にやさしくしてくれて、にこにこ楽しそうで、すっごく素敵な一日でした!」
「そっかそっか、それは重畳。素晴らしいことだ」
「これって、どうしてなんでしょうか?」
「どうして? どうしてやよいちゃんが笑うと、みんながやよいちゃんの思い通りに動いてくれるのか?」
「は、はい」
プロデューサーさんは、ちょっとだけ空を見上げました。
私もつられて上を見るけど、オレンジ色の空しか見えません。
それからプロデューサーさんは、ゆっくり私の顔に視線をもどして、
「魔法だよ」
そう一言だけ、言いました。
「……ま、ほう?」
「そう、魔法。日曜の朝っぱらから可愛らしい少女たちが、ファンシーな敵対勢力を暴力的に爆散させる、あれだよ」
「え、えっと……」
「まぁ俺はおジャ魔女世代だったから、月に代わってお仕置きしたり、プリティでキュアキュアな魔法は知らないんだが」
プロデューサーさんの言ってることはむずかしくって、私にはよくわかりませんでした。
きっとプロデューサーさんはプロデューサーだから、ギョーカイ用語っていうやつなんだと思います。
「とにかく魔法だ。魔法。そうだな、超能力と言い換えてもいい」
「まほう……ちょーのーりょく?」
「普通の人じゃ一生かかってもできないようなことを、一瞬でできてしまう才能のことさ。それをやよいちゃんが持ってる」
「えっ!?」
「なにを驚くことがあるんだい? 実際に今日、たくさんの人たちに魔法をかけただろう?」
魔法を、かけた?
長介たちに? クラスのみんなに? ……あと、ここに来る前に寄ったスーパーのおじさんに?
だから長介たちはおいしいって言ってごはんを食べてくれた?
だからクラスのみんなはやさしくしてくれた?
だからスーパーのおじさんは割引シールを貼ってくれた?
私が魔法をかけたから?
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