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127:名無しNIPPER[saga]
2014/12/27(土) 18:41:31.44 ID:p8SKGUO9o
さて、それから二人で暫く歩き、川の土手まで来た。
四条さんは全く変装する気が無いらしくて、その上いつものようにぴしりとした態度で歩くものだからとても、その、目立って。
そのせいで一緒にいる私まで注目されてしまって、道中パニックが起こりそうになってしまった。
自分たちの頑張りが実っているのを実感すると共に、四条さんの世間ズレしていなさに驚かされる。
今までどうやって生きてきたのか、時々本気で不思議になる事もあるし。

「心配せずとも、誰もついてきてはいませんよ」

辺りを気にする私にそう言い放つ。

「え？わかるんですか？」

確かに人影は無いけれど、影になる所も多いのに。

「気配……というか、意志のようなものですか。私は目が良くないかわりに、そういった物を感じ取る事が出来るのです」

そう言った四条さんは少し自慢げだった。

「それで、あちらです」

指差す先には橋があって、普通に車が通ったりしている。
その欄干にもたれるように、人が一人いた。

「あの人……ですか」

四条さんは頷く。

「先程も言いましたが、私は目が良くありません。そのせいか、幼少の頃よりこの世ならざるモノが見えてしまうのです」

私と同じだ！
突然の告白に驚き戸惑っていると、四条さんは更に続けた。

「それ故に、幽霊は怖くありません。ただ、妖怪や怪物は恐ろしくて仕方がないのです……見えぬが故に」

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