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132:名無しNIPPER[saga]
2014/12/27(土) 18:44:48.24 ID:p8SKGUO9o
「「自分を罰して気持よくなれるのは、結局自分だけだから」」

ボクはそう言った。

「例えば、自責の念で自殺するとか。そういう事もあるとは思うけど、でもそれって……逃げでしょ、やっぱり」

偉そうに言えた事じゃない。
だって、美希がああなった責任はボクにある。

「自分に報いを与えて、それでお仕舞なんて都合が良すぎる。そんなので喜ぶ人なんていないしね」

あの時ボクが言った“ごめん”の意味を考えてみると……自分の事に行き着く。行き着いてしまう。
あれは、けじめを付けて楽になりたいボクの心。
苦しんでいる顔をして、もっと苦しい人を追い詰めた最悪の行為。
だから、雪歩から電話があった時に決めたんだ。

「もう逃げない。今ボク、美希のタメならなんだってしてあげると思う。雪歩が悲しまない事ならね」

そう言って振り向くと、美希は嬉しそうに笑っていた。

「だったら、今晩久しぶりに……どう？」

冗談めかしてそう言う。
すっかり元通りだ。

「ごめん、無理。雪歩がいるから」

それを聞いてもっと嬉しそうに笑う。
世の中上手く行かないけれど、それでも生きていかなければ償いも出来ない。

「……強いのね、二人とも」

律子はそう言ってため息をついた。

「ミキってけっこーオトナだもん。律子、さんも気にしないで！うじうじしてたらハニ……プロデューサー、盗っちゃうよ？」

冗談やめてよ、と言った律子の笑顔は、いつもより弱々しく見えた。

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