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153:名無しNIPPER[saga]
2015/02/04(水) 22:50:35.59 ID:staJ+isWo
「もー、一応自分芸能人なんだから！ああいうの困るんだって！」

「や、ごめんごめん我那覇ちゃん。ついね」

芸能人を生で見ても意外と気付かないっていうのはマジっぽい。
自分の意識の外側にいるからいざ出会ってもぱっとは思い出せないらしい。
おかげでまた恥ずかしい姿を見られた。

「響でいいよ。でも驚いたぞ。自分の周りって見える人結構いるんだけど、お姉さんもそうだったなんて」

結構、ね。

「これでも本職……いや、副業だけど。そういう仕事してんのよ。で、そのワンちゃんをどっかやっちゃえばいいわけ？」

がな……響ちゃんはちょっと悩んでるみたいだ。

「手荒なのとか無しでお願いしたいんだけど……出来る？」

じっと犬の幽霊を見つめてみる。
……すっげーバカみたいな顔。
いやいや人懐っこいというか、なんというか。

「人間相手でも会話出来るか怪しいし、犬と平和的解決ってのは厳しいかもねぇ」

そもそもこいつ、なんで響ちゃんにくっついてるんだろう？
まさか自分が死んだ事わかってないパターンか？
犬は舌を出してこっちを見ている。
……ありそうだ。響ちゃん、動物好きっぽいしなぁ。

「そっかー……でも可哀想なのはやだなぁ」

本人は気付かないが、犬は響ちゃんの横顔をペロペロ舐めている。
アイドルってすげー、幽霊にも通用するんだ。

「あ、そーいや」

なんかあった気がする。
とりあえず、あの子の目につく所に犬がいなければいいわけだ。

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