過去ログ - 低俗霊iDOL@TRY -SS速報VIP

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64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:24:10.38 ID:0qtYvrwTo
「……ダメだよ、そんなの」

不意に。
本当に、不意に。
私自身、思いもよらない事だったけど。

以下略

65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:27:03.56 ID:0qtYvrwTo
小さく、小さく。
自分の内側へ入って行くように、泣いた。
泣いたのなんて何時ぶりだろう？
泣くな、強くあれが父さんの教えだった。

以下略

66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:27:38.34 ID:0qtYvrwTo
「ねぇ、本当に大丈夫？真クン、目真っ赤だよ？」

……結局、目薬でも誤魔化せなかった。
ちょっと瞼も腫れてる気がするし、散々だ。

以下略

67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:28:05.11 ID:0qtYvrwTo
「なるほどな……」

プロデューサーは黙って話を聞いて、深く頷いた。

「やっぱり、変ですよね……？」

以下略

68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:28:36.16 ID:0qtYvrwTo
「えっ」

持っていたかばんが足元に落ちた。
美希ちゃんが“真ちゃんごしに”こっちを見る。
一度目を大きく開いて驚いたようにした後、目を細めて笑った。

以下略

69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:29:03.81 ID:0qtYvrwTo
「おい、雪歩なんて？」

代わりに電話に出てもらった律子は首を傾げている。

「それが、なんでもないって……どうかしたのかしら」

以下略

70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:29:31.55 ID:0qtYvrwTo
気付けば辺りは暗くなっていた。
どこをどう歩いたのか、結局事務所近くの公園に私はいる。
いい加減寒くなって来たし、もう真ちゃんたちも帰っただろう。
かばんを取りに行かなくちゃ……。
重い、重い重い足を動かして事務所へ向かう。

以下略

71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:30:02.55 ID:0qtYvrwTo
「……っくし！」

屋上に菊池真のくしゃみが響くのと、萩原雪歩が足を踏み入れるのは同時だった。
日はほとんど沈んで、空は茜色を過ぎて紫に染まっている。

以下略

72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:30:29.53 ID:0qtYvrwTo
「昔から、男の子みたいに育てられて。憧れが、恋愛に変わって。ずっと隠してたけど、ライブの前とかさ。着替える時に意識しちゃって」

「昔、男の人に……悪戯されて。それからずっと、男の人が怖くて、かっこいい女の子を好きになって」

「なんで、ボクらはこんな風になっちゃったんだろう。好きな人に好きって言うだけで、こんなに苦しくなるなんて」

以下略

73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/12/10(水) 19:31:01.29 ID:0qtYvrwTo
「上手く言えないんだけど……みんな、一生懸命で。そういうの全部含めて人間なんだなって。今日私、取り乱して、頭の中ぐちゃぐちゃになったけど……」

「真ちゃんの顔を見たら、なんかすっきりした。同じ、なんだと思う。みんな、人間って。抱えてるものがあって、間違ったりして、えっと……上手く言えないけど……私」

雪歩は、笑っていた。

以下略

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